特定健診(メタボ健診)ガイド
   2008.09.09                      
1.特定健診が必要なわけ
  国民皆保険制度を将来にわたり維持してゆくためには、医療費の伸びを抑える必要があります。このためには糖尿病などの生活習慣病を予防したり、重症化しないようにすることが大変有効です。生活習慣病の元となるメタボリックシンドロームの該当者や予備軍を減少させることを目的に、平成20年度から特定健診や特定保健指導を健康保険に加入している40歳から74歳までのすべての人に実施することが決まりました。
この特定健診制度は、75歳以上を対象とする後期高齢者医療と密接な関係があります。
2.メタボリックシンドロームとは
  メタボリックシンドロームとは、内臓脂肪型肥満に加えて、高血圧、脂質異常、高血糖のうちいずれか2つ以上(1つは予備軍)を合わせ持った状態をいいます。明らかな高血圧症、脂質異常症(高脂血症)、糖尿病とは言えない状態であっても、これらが複数重なり合うことによって、動脈硬化を進行させ、心臓病や脳卒中といった命に関わる合併症を発症する割合が高くなります。
平成16年の国の調査で40~74歳の男性2人に1人、女性5人に1人がメタボリックか、またはその可能性が高いという結果がでています。
3.特定健診の対象となるのは
  国民健康保険、組合健康保険などの健康保険に加入している40歳から74歳までの方を対象に特定健診が行われます。特定健診は国民健康保険であれば市町村が実施者となり、組合健康保険であれば各健康保険組合が実施者となります。
4.どのようにして特定健診を受けるのか
  対象となる方には「健診受診券」と「健診実施機関名簿」が送られてきます。 この受診券と健康保険証を持って、年1回受診してください。 実施医療機関の中から選んで、受診してもらうことになります。浜松市国民健康保険の場合、浜北区の健診実施機関ここをクリックしてください。また浜松市の場合、自己負担金 1500円(40-69歳) 500円(70-74歳)がかかります。
健康保険組合や共済組合加入者はそれぞれの組合にお問い合わせ下さい。特定健診の結果は、実施機関から皆様方にお知らせします。
5.特定健診の検査項目は
  健診項目は全員が受ける「基本的な健診項目」と医師が必要と判断した方が受ける「詳細な健診項目」に分けられます。
    ○基本的な健診項目
     問診、身長、体重、BMI、腹囲、血圧、中性脂肪、HDL-コレステロール、 LDL-コレステロール、
    AST(GOT)、ALT(GPT)、γ-GTP 、 空腹時血糖または HbA1c、 尿糖、尿蛋白
   ○詳細な健診項目
     ヘマトクリット値、血色素測定、赤血球数 12誘導心電図、眼底検査
  国(厚労省)では上記の基準を設けていますが、市町村、保険組合の独自の判断で検査項目を追
加する場合があります。浜松市では「基本的な検診項目」の他に「詳細な検診項目」の眼底検査以外のすべての項目と尿酸、クレアチニンを追加して全員に施行しています。
  検査の結果、将来メタボリックシンドロームから生活習慣病に移行しやすいと判定された方は特定保健指導を受けていただくことになります。
6.特定保健指導とは
  特定保健指導は、生活習慣を改善し、糖尿病などの生活習慣病に移行しないように予防することを最大の目的としています。 具体的には、個別面接やグループ面接を行なったり、保険指導者と対話することによって生活習慣を改善の手助けをします。場合によっては目標達成のための計画を立て、定期的に面接したり、身体測定をして生活指導をします。(浜松市の場合、自己負担はありません)
  誰に何を行うかは、特定健診の結果によって、動機付け支援と積極的支援に分けられます。 特定健診の結果、特定保健指導のレベルではなく、治療が必要と判断された場合には、特定保険指導とは切り離され、通常の保険診療となります。
7.特定保健指導の対象になるのは
   内臓脂肪蓄積の程度とリスクの数から判定されますが、喫煙歴の有無も加味された
下の表から特定保健指導の対象者が決定されます。
腹 囲 追加リスク 喫煙歴 対 象
①血糖 ②脂質 ③血圧 40~64歳 65~74歳
男性85cm以上
女性90cm以上
2つ上該当 積極的
支援
動機付け
支援
1つ該当 あり
なし  
上記以外で
B M I 2 5
以上
3つ該当 積極的
支援
動機付け
支援
2つ該当 あり
なし  
1つ該当
*BMI       肥満指数を表す(体重÷身長÷身長)
追加リスク項目 ①血糖 ヘモグロビンA1c 5.2%以上又は空腹時血糖 100mg/dl 以上
           ②脂質 中性脂肪 150mg/dl 以上又はHDLコレステロール 40mg/dl 未満
            ③血圧 収縮期血圧 130mmHg 以上又は拡張期血圧 85 mmHg以上
  例えば、50歳男性のAさんのケース、腹囲90cmで喫煙歴があり、血液検査では中性脂肪が170mg/dlあった場合、その他は血圧も含め正常範囲でしたが、判定表からは「積極的支援」に該当します。 これは喫煙歴があるため、将来、生活習慣病に移行する可能性が高いと判定されたためです。
8.動機付け支援と積極的支援の2つのタイプ
  動機付け支援は、積極的支援を含む特定保健指導の対象者全員が受けます。 内容は動機付け支援対象者は、原則として1回限りで、20分以上の面接を行い、 生活習慣を改善するための支援(指導)を行います。6ヶ月後に効果があったかどうか、面接か電話で確認します。 これに対し積極的支援の対象者は、初回の面接は動機付け支援と同じですが、 初回面接から3ヶ月以上にわたって、2週間から1ヶ月間隔で面接、身体測定、指導が 行われ、6ヶ月後には動機付け支援と同様に効果の評価が行われます。 また1年後には特定健診が行われますので、そこで改善されていなければ、再支援と いうことになります。
9.特定健診と後期高齢者医療の関係
  平成20年4月から75歳以上の高齢者を対象とした医療制度(後期高齢者医療制度)が創設されました。後期高齢者制度では、その財源の約40%が現役世代からの「後期高齢者支援金」という名目で賄われ、健康保険組合を通じて納められます。
平成25年度からは、特定健診の目標達成状況によって各保険組合の「後期高齢者支援金」の負担額が増減する仕組みになっています。その目標とは
      ①「特定健診の受診率」
      ②「特定保健指導の実施率」
      ③「メタボリックシンドローム該当者および予備群の減少率」
この3つによって決められます。受診率、実施率が上がれば健康保険組合の負担が軽くなり、逆に目標達成率が悪ければ負担が重くなり、最終的には健康保険料の値上げにつながります。